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頭痛と総合医療・共同研究

頭痛と総合医療

歯科領域で、”親知らずを抜歯したら頭痛が改善した”、”歯の治療をしたら頭痛が改善した”などの経験をされている方は少なくないと思われます。しかし、これらの真実が事実という学問に還元されていない事は歯科界において大きな問題と言えます。したがって頭痛で悩む多くの患者の為にどのような頭痛が咬合と関連し又は関連しないのかを解明することは今後歯科医療にとって大切な課題だと考えてます。

国際頭痛学会では下記の如く、T.一次性頭痛 U.二次性頭痛 V.頭部神経痛、中枢性・顔面およびその他の頭痛の3部に分けられています。

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国際頭痛学会分類第2版;IHS、1988→2004改定

T.第1部;一次性頭痛(4分類)
   1.片頭痛(Migraine)
   2.緊張型頭痛(Tension-type headache)
   3.群発頭痛およびその他の三叉神経痛・自律神経性頭痛
   4.その他の一次性頭痛

U.第2部:二次性頭痛
   5.頭頸部外傷による頭痛
   6.頭頸部血管障害による頭痛
   7.非血管性頭蓋内疾患に伴う頭痛
   8.物質あるいはその離脱に伴う頭痛
   9.感染症に伴う頭痛
   10.代謝障害に伴う頭痛(低酸素症など)
   11.頭蓋骨、頸、眼、耳、鼻、副鼻腔、歯、口あるいはその他の
     顔面・頭蓋の構成組織の障害に起因する頭痛あるいは顔面痛
   12.神経疾患による頭痛(追加)

V.第3部:頭部神経痛、中枢性・顔面およびその他の頭痛(2分類)
   13.頭部神経痛、中枢性顔面痛
   14.その他の頭部神経痛、中枢性あるいは原発性顔面痛
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咬合関連性頭痛
頭痛の中でも、特に片頭痛と緊張型頭痛は咬合と関連するものが多いと考えています。
1.片頭痛
  ズキンズキンと脈打つ痛みで頭の片側に多くみられる。
2.緊張型頭痛
  ギューッと締め付けられるような痛みやずっしりと重い痛みで頭の両側または頭全体に及ぶ。

歯科治療対象者は、下記の条件を満たす事が望ましい。
 1.医師からの頭痛診断書を持参する。(IHS基準に従う)
 2.医師の精密検査で問題がない。
 3.長期の頭痛を有する。
 4.頭痛薬を長期服用または常備している。
 5.何とか治したいと自ら歯科治療に期待し来院された方。

咬合関連性頭痛を発症する病的咬合因子と関連因子
1. 病的咬合四大因子
 1)下顎の三次元的変位
 2)咬合干渉
 3)咬合重心の異常(オクルーザルパワーゾーンの異常 )
 4)下顎の運動制限
2.病的咬合三大関連因子
 1)噛み癖(左右的因子)
 2)姿勢(前後的因子)
 3)舌癖(上下的因子)

これまでの研究報告から
これらの病的咬合因子を不正咬合にあてはめると
1. 過蓋咬合では上顎前歯による下顎の運動制限と下顎の後方偏位が特徴的で、その結果、主に後頭部の筋緊張度が高まり、肩こりや緊張性頭痛が生じやすいと考えられます。治療としては、スプリントで咬合拳上することにより病的咬合因子が改善されやすくなり、慢性頭痛の改善につながります。
2.開咬では、開咬部位が上顎第二小臼歯まで及ぶ場合、咬合重心というべきオクルーザルパワーゾーンの異常がみられ、閉口時に咬合干渉が生じやすい状態にあります。側頭筋は、咬合時に上顎第二小臼歯の対咬接触が得られないため、等張性収縮から等尺性収縮に十分いたることができず、結果として側頭部筋の不活性化が生じることになります。それにより側頭動脈が常時圧迫され、偏頭痛(拍動性頭痛)が生じやすいと考えています。治療は、光重合レジンやスプリントで上顎第二小臼歯部の対咬接触回復を行う。それにより、その場で側頭筋が活性化し、咬合力も増大し、片頭痛が改善されることもあります。 また、咬合が関連して筋膜に異常なスパズムが生じて頭痛を発症していることも十分考えられます。  このように一次性頭痛の多くが咬合治療により改善されることが少なくない事は歯科領域のなかでは当然であっても、医科領域では咬合異常のことは診断できないために頭痛分類に取り上げられていないのが現状です。これは、歯科界の大きな責任とも言えるでしょう。
したがって、これからの歯科医学として、どのような病的咬合因子がどのような頭痛と関連するのか、さらにいかに予防していくかなど詳細に調査していく必要性があります。



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